プロフィール
有限会社 北越フードサプライ設立にあたって
米の輸入自由化、農業従事者の減少、 40 %にまで落ちた国内食料自給率の逓減等々のニュースは、身近であり他人事でもあったのが正直な心境でした。
さらに頻発する産地偽装、有害農薬の使用による食生活への不安感、不信感すらも対岸の火事としてしか見ていないのが、私の日々の食生活と言ってよかったと思います。
ある時、二十年来交誼のある恩師から、在外邦人が故郷の米や野菜、いわゆる日本の味を懐かしみ、思いながら遠く祖国を離れた地で活躍される話を聞き私の食に関する意識が急激に変わりました。
海外での滞在で数日間は楽しむ異郷の味覚は、それは楽しいものではありましたが、数日を経ますと無性に暖かいご飯、香り高い味噌汁、小さい頃から慣れ親しんだ献立の数々が目に浮かんだのは、私一人ではないと思います。
食卓に向かう時、心をよぎるようになったのは、衰退する農業、失われてゆく日本の味、目に見えない微小の害毒・・・けっして明るいものではありませんでした。
私が、「安全安心であること」「美味であること」「生産者も消費者も納得のできる妥当な価格である食物」を提供できるなら・・・
ここに弊社設立の起源があります。
ご縁がある農家の方達や日頃ご指導いただく方々から訓導いただき、是非にも正当な、そして日本人が何百年にもわたって慣れ親しんできた食べ物を自らが選び取扱い、世の方々にご紹介し正しい方向に向かう一助たらんことを固く決意いたしました。
このグローバル化された時代に、鎖国然とした輸入自由化反対は、様々な意見や事情があったとしてもなかなかに押し通せないのも現実と思われます。
ならば逆に攻めて、海外に雄飛する同胞の方々に今一度私達の日本が、どれだけ優しくて素敵だったのか再認識する発火点となろうと思います。
また、私達の子供が、昔からの日本の味を忘れないよう、そしてこの米の食文化を次代へ継いでいってもらうためにも大切なことと痛感しております。
商いとは、売り手の繁栄のみならずお客様の満足で成立するものと信じております。多くの方に喜び、ご指示していただき、作り手の農家の方達が自信を深め経済的にも充実する橋渡し役として、北越フードサプライを設立した私の志を報告申し上げます。
生まれたての赤ん坊同様でございます。
皆様の倍旧のお引き立てをお願いいたしますとともに、さらなるご指導ご鞭撻を頂戴し立派な成人となるべく日々努力を積み重ねてゆく所存でございます。