お米の用語辞典
【あ行】
- アイガモ農法(アイガモ農法による害虫防除)
- 水田の中にアイガモを放し、除草や害虫の駆除をアイガモによって行う。除草効果は 10 a あたり 15 羽程度で効果が確認され、イネゾウムシ、ウンカなどの害虫駆除に効果がある。また、アイガモが水田をかき回すことで中耕効果も期待される。
除草効果は高いが、アイガモを放す時期を間違えると稲が食べられたり、いもち病、カメムシなどには効果がないため、他の害虫防除との兼ね合いが難しい。また、アイガモによる効果と、アイガモを維持するための負担との兼ね合いが難しい。 - 畔(あぜ)
- 田と田の間に土を盛り上げて境としたところ。
- アレルゲン
- アレルギーの原因となる抗原物質。
- 育苗
- 苗床・苗代・苗圃などで稲を育てること。
- いもち病(稲熱病)
- イネ科植物がかかる病気の一つ。病原はカビの一種で、茎や葉に胞子が寄生すると、次第に衰弱して穂が出なくなり、枯れる。
- インディカ米
- アジアで栽培されている稲は、長粒種のインディカ米、大粒種のジャバニカ米、短粒種のジャポニカ米に分類されます。タイ米に代表される、インディカ米は、気温の高い所で主に栽培され、世界のお米の 80 %以上の生産量を誇ります。粘り気が少ないためピラフやカレー、炒飯などに向いている。
- ウルグアイ・ラウンド
- ガット( GATT ・関税及び貿易に関する一般協定・現在の世界貿易機関)にて行われた、多角的貿易交渉。世界の自由貿易の促進を目的に、農産物輸入規制の緩和などが協議された。
- FAO(国連食糧農業機関)
- 食糧農産物の生産分配の効率改善、農民の生活水準の向上、栄養状態の改善、農業技術援助などについて国際協力を実現かすることを目的に 1945 年に設立された国際機関。
- お米ギフト券
- お米と引き換え可能な商品券の一種。「ビール券」と同じ仕組みで、お中元やお歳暮に幅広く利用されている。以下のどの団体のものでも、お米を販売している店であれば、引き換え可能。
※発行団体:
全国食糧事業協同組合連合会/全国商連協同組合/全国農業協同組合連合会
※資料 『お米流通消費 Q & A 』創造書房 1990 年版
【か行】
- カメムシ
- 半翅目カメムシ科の昆虫の総称。体長 2 ~ 40 ミリメートルで、体形・色はさまざま。口はセミのように針状で多くの植物から吸汁し、農業害虫ともなる。臭腺(しゆうせん)から強い悪臭を放つ。日本にはナガメ・アオクサカメムシなど約90種がある。クサガメ。ヘッピリムシ。ヘコキムシ。
- 潅漑(かんがい)
- 作物の生育に必要な水分が自然の降水量だけでは不十分な場合、土地に人工的に水を供給すること。
- 完全給食
- 給食内容が、パンまたは米飯等・ミルク及びおかずである給食。
- 基幹的農業従事者
- 主に農業に従事する者。
- 強化米
- 精米作業によって失われた栄養分のうち、特に重要なビタミン B 群を補充して、栄養価を高めたお米。最近では、食生活が豊かになったため、強化米によってビタミン B 群を補充する必要性はほとんどなくなっている。
- グリーン・ツーリズム
- 特に名所などのないありのままの農村地域にて滞在や散策を楽しむレクリエーション活動。
- グルタミン
- 小麦粉などに含まれる各種のタンパク質の混合物で、灰褐色の粘り気のある物質。グルタミン酸を多量に含む。
- グルタミン酸
- アミノ酸のひとつ。小麦のグルテンなどの加水分解によって得られる。白色の結晶。たんぱく質中に含まれ、動物体内では物質代謝に重要な役割を果たす。
- 耕起
- 耕土をすき起こし、表層部の土壌と深層部の土壌を反転させる作業。
- 甑(こしき)
- 飯などを蒸して炊く器具。今の蒸篭(せいろう)にあたる。
- コシヒカリ
- 稲の一品種。昭和 31 年( 1956 )福井県で作出。食味がすぐれ、北陸から関東以西で広く栽培される
- 米騒動
- 1918 年 (大正 7 年)、一般物価の騰貴、米の消費量増大、投機の思惑、地主の売り惜しみなどが連鎖して、米価は史上空前の高値を呼び、いわゆる「米騒動」を全国的に引き起こす要因となった。 そもそもの発端は、富山県魚津町の主婦達が港からの米積み出しを反対して行った騒ぎでしたが、瞬く間に全国へと飛び火し、騒動は日を追って激化。米商人の家の打ち壊しなど、大暴動へと発展していった。
【さ行】
- ササニシキ
- 稲の一品種。昭和 35 年( 1960 )に宮城県で作られた。いもち病に対する耐性が強く、味もすぐれ、主に東北地方で広く栽培される。
- 作況指数
- 作柄の良否を示す指標のことで、通常は 10 a 当たり平年収量に対する 10 a 当たり収量(または調査時ごとの 10 a 当たり予想収量)の比率で表す。
※平年収量:
作物の栽培を開始する前に、その年の気象の推移や被害の発生状況などを平年並みと見て、最新の栽培技術の進歩度合いや作付けの変動を考慮し、実収量の動きを基に作成した、その年の予想収量のこと。作況指数と作柄良否の関係は、現在、以下の 5 段階で評価される。- 106 以上・・・良
- 105 ~ 102・・・やや良
- 101 ~ 99・・・並
- 98 ~ 95・・・やや不良
- 94 以下・・・不良
- 残留農薬
- 病害虫の防除や除草などの目的で使用された農薬が、作物などに残ること。農薬取締法では、人の健康や環境に悪い影響を与える農薬の使用は認めておらず、それに基づいて、厚生省や環境庁が各種の基準を設置している。
※ 資料 農林水産省農産園芸局調べ - 直播(じかまき)
- 苗床で育苗することなしに、本圃に直接種子をまきつけること。
- 代掻き
- 水田の整地作業の一つで、耕起した水田に水を入れ、砕土と田面の馴らしを目的として上層を撹拌する作業。
- ジャポニカ米
- アジアで栽培されている稲は、長粒種のインディカ米、大粒種のジャバニカ米、短粒種のジャポニカ米に分類される。日本型イネとも言われるジャポニカ米は、日本や朝鮮半島、中国やオーストラリアの北部で栽培されており、世界のお米の 15 %未満の生産量。
※ 資料 食生活消費情報研究会著 「お米なぜなぜ質問箱」大蔵省印刷局発行 1997 年版 - 自立経営農家
- 世帯員1人当たりでみた町村在住の勤労者世帯の勤め先収入と同水準の農業所得を確保している農家。
- 人為かい廃面積
- 生産者自ら耕作を放棄することによって、田畑ではなくなってしまった土地の面積。
- 生産緑地制度
- 1991 年の「生産緑地法」改正によって、 3 大都市圏の市街化区域内農地の 3 割が生産緑地に指定されました。生産緑地として保全されるものは、30 年間の営農継続を条件として、固定資産税の宅地並み課税をまぬがれ、相続税納税猶予等の特例措置が継続される。
- 整粒歩合
- 米粒が、一定の大きさで形状が均一の度合いを表す。この度合いが高いということは、お米が欠けることなく-美しい形-味覚も安定しているという一つの目安になる。
整粒歩合 一等米 70% 二等米 60% 三等米 50% - 施肥
- 土壌に肥料を施すこと。
【た行】
- 脱穀
- 穀粒から、籾がらを取り去ること。
- たんぱく質
- 生物の細胞の主成分であり生命現象に直接深く関与している、窒素を含む高分子の有機化合物。約 20 種のアミノ酸がペプチド結合によりつながったもので、種類は多い。単純たんぱく質と複合たんぱく質とに分けられる。プロテイン。
- 登熟期間
- 受精から種子ができる期間のこと。受精により子房が発育し、それと共に胚珠が発育をはじめ、種子ができる。
- 倒状
- 倒れてしまうこと。
- 搗精(とうせい)
- 玄米の外層である糠(ぬか)層を分離して精米すること。
- 冬眠密着包装米
- お米を袋詰めする際に、合成樹脂皮膜製の袋の中に不活性炭酸ガスを充填して密封包装したもので、お米を冬眠状態にしたもの。お米の脂肪の酸化、タンパク質の変性を抑え、食味を変えずに長期間(常温で 6 ~ 8 ヵ月)の保存に耐えられるが、特殊包装のため価格は割高となる。
※資料 東京都生活文化局『お米のはなし』 1991 年版
【な行】
- 中干し
- 稲穂の実らない無駄な茎の成長を抑え、健康な根が生長しやすいようにし、元気な根をはらせる。土の中の稲の根もとに酸素が入りやすくし、稲に悪性なガスが充満するのをさけることを目的に稲が大きくなってから、ある決まった時期に田んぼの水をなくして、土をかわかす作業。
作業の時期が夏の「土用」の時期と重なることから「土用干し」という地域もある。 - 21 世紀村づくり塾運動
- 農林水産省の農業構造改善対策調査研究会で構想され、1990 年 6 月に発足した財団法人 21 世紀村づくり塾を中心に展開している、農業・農村の活性化を図る全国的運動。都市と農村を結びつけることを目的に、各府県・各市町村に村づくり塾を設けて様々な企画を推進している。
- 二毛作
- 同一の圃場に 1 年に 2 回作物を栽培すること。
- 農業委員会
- 1951 年に制定された農業委員会法に基づく、市町村レベルでの地域農業振興の計画策定や農地権利の移動許可等を行う委員会。
- 農業基本法
- 1961 年(昭和 36 年)に制定された、我が国の農業政策の目的と基本方針を規定した法律で、今日の農政の出発点になっている。
- 農業経営基盤強化促進法
- 1993 年(平成 5 年)に制定された、新しい食料・農業・農村政策の方向を示した政策の推進を狙いとした法律。農業経営基盤改善のための各種の支援措置を打ち出している。
- 農業就業人口
- 他産業に従事する者を含めた農業に従事する人口。
- 農業従事者
- 16歳以上の農家世帯員のうち、1 年間の間に 1 日でも農業に従事した者。
- 農業専従者
- 農業従事日数が年間 150 日以上に達する農業従事者。
- 農政審議会
- 農業基本法に基づき、農業の基本方向と政策上の重要事項について、調査・ 審議するために、農林水産省内に設置されている委員会。15 人以内のメンバーで構成され、その答申は農政展開の重要な節目で重視されます。
- 農村地域工業導入等促進法
- 1971 年(昭和 46 年)に改正された、農村地域への工業等の導入を促進し、就業機会の拡大を狙いとした法律。
- 農地法
- 1952 年(昭和 27 年)に制定された、自作農の農地所有の保護を主目的とした法律。
- 農用地整備公団
- 1987 年に農用地開発公団から名称改正された、農用地の保存や再編整備を行うことを目的とした公団。
- 農用地利用増進法
- 1980 年(昭和 55 年)に制定された、賃貸借を軸に農地の流動化に対応することを目的とした法律。
- 芒(のげ)
- 稲・麦などの花の外側にある刺状の突起。
【は行】
- 胚芽精米:
- お米の胚芽部分には、ビタミン B1 ・ E 、リノール酸、ミネラルなど健康に役に立つ栄養素が多く含まれています。お米を精米する時に、籾を除き、胚芽を残すのが胚芽精米で、胚芽の保有率は 80 %以上とされている。
- 米価審議会:
- 1949 年(昭和 24 年)に農林省内に設置された、米麦等の価格を審議するための審議会。米価の決定権はなく、政府の諮問に対して答申を出す。生産者、消費者、学識経験者などの25名の委員で構成されている。
- ポスト・ハーベスト:
- 農産物の輸入に伴う海外からの病害虫の侵入を防止したり、農産物の品質を保持する目的で、収穫後の農産物に農薬を使用すること。ポスト・ハーベストの使用は、一般的に作物の収穫前に農薬を使用した場合に比べ農薬の残留量が多くなりがちで、食料を多く海外から輸入する我が国での関心は高まってきている。
※資料 農林水産省農産園芸局調べ
【ま行】
- マラケシュ協定
- 1994 年、ガット・ウルグアイ・ラウンド(多角的貿易交渉)に参加する世界 124 カ国の閣僚によって宣言された、ガット( GATT ・関税及び貿易に関する一般協定)の発展的解消と世界貿易機関( WTO )設立に関する協定。世界の自由貿易の促進を目的に、農産物輸入規制の緩和などが宣言された。
- 緑の革命
- 品種改良された高収量品種と農薬、化学肥料を 1 セットとして農民に普及させ、単位面積あたりの収量を高めて食糧自給を達成しようとすること。
- ミニマム・アクセス
- ウルグアイ・ラウンドで合意された、お米の最低輸入量のこと。
- 無洗米 (クリーンライス)
- 研がずに炊けるお米として販売されている。特殊な精米機を使って、普通に精米すれば白米粒の表面に残る細かい糠(ぬか)を、米粒に吹き付けた少量の水分で除去し、磨きあげていくことにより、普通の白米より研ぎ汁の濁り度がかなり減少していくもの。
- 籾摺り
- 籾を籾摺り機にかけて籾がらを除き、玄米とすること。
お米にまつわる話
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