玄米と胚芽精米と精白米
米の構成は、「胚芽」・「ぬか層」・「胚乳」から出来ています。玄米から「ぬか層」を取り除くと胚芽精米になり、胚芽精米から「胚芽」を取り除くと、精白米になります。
- 【玄米】 (玄米とは、収穫した米から、もみがらだけを除いたもの)
- ビタミン B 群・ E 群・ミネラルを豊富に摂取できる。
歯ごたえがあって、噛んでいると甘味が出てくる。
調理に時間がかかる。
ぬか層には「不消化性繊維」が多いので消化吸収が悪い。 - 【胚芽精米】( 5 分づき・ 7 分づき)
- ある程度ビタミン・ミネラルを摂取できる。
食物繊維など多くの有効成分も含まれる。
ビタミン B6 ・カルシウム・リノール酸を多く含む。
米が黒っぽくなる。
精米技術により完全に「胚芽」を残すことが困難。 - 【白精米】
- 消化吸収率 98 %で食品中最高値。
食物性食品の中では酸価が多いほうである。
ビタミン・ミネラルの摂取が少量。
ビタミン B1 が少ない。
米の栄養価
米の栄養素としては、ビタミン B1 やミネラルです。しかし、ビタミン B1 が豊富に入っているのは「胚芽」の部分であり、一般的に私たちが食べているのは「胚乳」です。胚乳部の成分は、70 %「炭水化物(デンプン)」、6 %「タンパク質」、その他「脂質・ミネラル・ビタミン」です。
精米と栄養の関係(可食部 100 g あたり)
| エネルギー | 蛋白 | 脂質 | 糖質 |
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玄米 | 153 kcal | 3.3 g | 1.3 g | 31.4 g |
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胚芽精米 | 147 kcal | 2.9 g | 0.8 g | 30.8 g |
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白精米 | 148 kcal | 2.6 g | 0.5 g | 31.7 g |
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| カルシウム | 鉄 | ビタミン B1 | ビタミン B2 | ビタミン E | 食物繊維 |
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玄米 | 4 mg | 0.5 mg | 0.16 mg | 0.02 mg | 0.7 mg | 3.5 mg |
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胚芽精米 | 3 mg | 0.2 mg | 0.10 mg | 0.01 mg | 0.4 mg | 0.6 mg |
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白精米 | 2 mg | 0.1 mg | 0.03 mg | 0.01 mg | 0.2 mg | 0.4 mg |
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栄養価の高い玄米が、一番優れているかというと一概に言えません。調理に手間がかかる点と消化吸収が悪いので全ての栄養を摂取することが出来ないというデメリットがあります。
玄米より栄養価の低い精白米ですが、炊飯が簡便なことと美味しく食べやすく、しかも消化吸収が良いという点から見ますと精白米が適しているといえるでしょう。栄養の補食については糠を利用した漬物等で補えますし、食材の豊富なこの時代では副食で十分に補完されます。
胚芽精米につきましては「 5 分づき」「 7 分づき」という精米方法をしていますが、色は少々黒っぽく、食味も白米と比べると若干落ちてしまいます。しかし、玄米と白米の中間ということでは、栄養面では理想的と言えるでしょう。
たんぱく質について
少し難しい話になりますが、お米の白濁した部分は“たんぱく質”です。おいしいお米の数値的なことで言いますと、たんぱく質含有6.3%以下の米が美味しいお米と言われます。岩出山地域のお米は、含有値5.7~5.8%を目標にして、おおむねその数値をクリアしています。
このたんぱく質の少ないお米は、食味が落ちないことが特徴です。多く含むお米は、朝炊いて保温して夕方食べるとき黄ばんでしまいます。今、高機能の炊飯器が普及していますが、さらにこの機能を活かすためには、お米選びも大切なことなのではないでしょうか?
- ビタミン B1
- ビタミン B1 は体内で糖質(デンプンや糖分)をエネルギーに変えるのに不可欠な成分です。これが不足すると糖質を効率よくエネルギーに変えることができず、イライラする、疲れやすいといった症状があらわれます。また、糖質がエネルギーに変わりにくいということは、余分な糖質を脂肪として体にためて肥満になりやすくなるともいえます。
たかが水、されど水・・・
農畜産物 1 キログラム収穫に必要な水米 | 5,100 リットル | 小麦 | 3,200 リットル | 大豆 | 3,400 リットル |
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牛肉 | 10 万リットル | 鶏肉 | 4,900 リットル | 豚肉 | 11,000 リットル |
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水量の確保もさることながら、いかに良質の水が良質の食品を生むことが推測されます。
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